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弁当販売、オーダーメードで差別化

ダイニングバーのZen(ゼン、横浜市都筑区勝田町)の企業向け弁当販売・仕出し事業が好調だ。競合店が多い中にあっても特別に宣伝をしていないものの、オリジナルの販売モデルが評判を呼び、取引先は130社を突破。「担当者が異動しても引き継いでリピートしてくれたり、転職先でも接待のおもてなしとして注文してくれたりする大手企業の人もいます」と、大矢善智シェフは手ごたえを感じている。

口コミで広がり130社突破

同社の弁当は、あらかじめメイン素材に「A5ランク和牛」のみを設定。予算や好み、季節、男女比、年齢分布などを細かくヒアリングしながらメニュー を決めるオーダーメード式だ。

顧客の好みはそれぞれ。すべてをオーダーメードとすると時間や手間もかかる。しかし、大矢シェフは「電話で細かく要望を聞き、“メニューのストック”から予算やニーズを踏まえ、むしろこちらから提案しています」と説明する。

具体的には、フレンチをベースに、A5ランク和牛以外は、和・洋・中をアレンジしたこだわりの一品料理を彩りよく詰め込む。

暑い時期にはさっぱりしたもの、寒い時期は炊き込みご飯、男性が多い場合なら肉を敷き詰めたぜいたくな焼肉重など、季節や利用客に合わせたパターンを用意している。

価格は1500円から。ランチとしては高価格帯ではあるものの「メニューがリクエストできるお弁当なので、接待や記念日の注文が多いです」。現在は月平均2200食以上の注文があるという。

(2023年5月号掲載)