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廃棄物自動計量システム、サブスクで

環境ベンチャー企業、ケイ・システム(大和市桜森)は、工場や事業所から排出される産業廃棄物情報をリアルタイムで確認できるIoTシステム「企業の体重計®」のサブスクリプション(定額制課金)サービスを始めた。各種の廃棄物が、いつ・どこで・どれくらい発生しているのかをスマートフォン上で確認できる。電子マニフェストとも連動、煩雑な廃棄物量の集計・入力作業も自動化する。

ケイ・システム、中小企業のSDGs 経営向けに提案

同システムは、IoTセンサー内蔵の計量器をごみ箱の下に置いて使用する。そこから得られた計量データを、Wi-Fi経由でクラウド上の管理システムにアップしていく。ごみ箱1箱当たり1台の装置が必要になるが、種類ごとの廃棄物量の推移が随時“見える化”されるため、発生抑制(リデュース)などの環境対応にも役立つという。

同社によると、ショッピングモールなどを運営する県内企業が同システムを活用して環境改善活動に取り組んだところ、リサイクル率を9割まで引き上げることに成功したという。

今回のサブスクは、中小・小規模企業でも導入しやすいよう始めた。初期費用は10万円。利用料は1拠点当たり月額1万円。ごみ計量器が1台3000円の月額レンタル制となっている。複数の事業所を持つ企業は、廃棄物情報をクラウドで一元化できるため特に有効としている。

また、集計データからリサイクル率や二酸化炭素(CO₂)排出削減効果も割り出せるので、環境レポートの発行が可能。電子マニフェストとも連動しており、数字を打ち込む手間もなくなるという。

小島啓義社長は「今後は大手企業の調達方針にも脱炭素やSDGsに対する取り組みが求められてきます。同システムを入れることで、身近なSDGs活動にもなります」と話している。年間150拠点の採用を目指す。

(2022年5月号掲載)