環境ベンチャー企業、ケイ・システム(大和市下鶴間)は、イベント会場や事業所、店舗などから排出されるゴミの量を自動計算するシステム「企業の体重計」を開発した。ごみ箱の下に置くだけで、廃棄物の種類と重量をクラウド上に自動記録し、リサイクル率や二酸化炭素(CO₂)削減量なども算出できる。SDGs(持続可能な開発目標)のゴール12「つくる責任 つかう責任」に積極的に取り組む企業、廃棄物量を削減したい企業などに提案していく。東京五輪・パラリンピックでも採用される見込みだ。

五輪会場でも採用へ

「企業の体重計」は、ごみ箱の下に設置した本体のセンサーで、定期的にごみの重量をはかる仕組み。ゴミ箱1箱に対して1システムが必要となる。

情報を通信モジュールによりクラウド上に飛ばし、管理画面に記録する。廃棄物ごとに計量していたデータの入力作業もすべて自動化した。

自動計量する頻度は30分~1日単位と任意で設定。委託するリサイクル業者の情報を入力すれば、リサイクル率なども算出できる。電子マニフェストとも連動した。

また、集計したデータは、廃棄物ごとに時系列で表示できるため、3R(リデュース、リユース、リサイクル)を進めるための分析に活用できるという。毎月の集計結果レポートも配信する。

レンタル価格は1台当たり月額3300円。「ITの力で地球環境を守っていきたいです」と小島啓義社長。業種を問わず、SDGsに取り組む企業に対し、システムの採用を働きかけていく。

一方、ゴミの量を管理する同社のクラウドシステムは東京五輪・パラリンピックの各競技会場・選手村で採用されることが決まっている。今後は県内会場で「企業の体重計」も併せて置いてもらえるよう協議中という。

(2021年5月号掲載)