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店舗の経営データをサイトで提供

焼き魚と総菜の専門店、和炭(にこずみ)焼き・かど(川崎市麻生区百合ヶ丘)は、同店のリアルな経営データを随時閲覧でき“社外取締役風”会員として経営会議に参加、企画立案もできる会員制サイト「経営会」を立ち上げた。開業したい人や、実際に店舗運営をするオーナーなどが対象。飲食店経営に必要なノウハウが身に付けられるとともに、オンライン会議で自身の戦略・アイデアを提案。同店が代わりに実践、報告することでテストマーケティングにもつなげてもらう。

「社外取締役風」会員を募る

ミシュラン・ビブグルマン店舗出身の奥田大樹店主が独立、2022年4月にオープンした。住宅街に立地する全11席の小規模店舗だ。

「飲食1店舗の商圏はせいぜい周囲1~2キロと限定的です。その壁をDXで壊し、新たなビジネスモデルを構築したいと思いました」(奥田店主)と、今回のサイトを開設した。

月額780円のサブスクリプションサービス。会員は同サイトにアクセスすると、売り上げ速報や月間PL(損益計算書)表、店舗改装費用、賃貸契約などの契約書類一式、ABC分析表、ウェブ広告による集客効果など、あらゆる情報が閲覧できる。

「飲食店経営をしたことがない人でも、データを見ることで飲食店に必要なことがつかめます。開業前の人でも事前にノウハウを知っておけば、開業後のリスクも減らせるはずです」と語る。

一方、別費用で経営会議への参加も可能。そこでは、「社外取締役風会員」として、集客増につながるアイデアを出してもらい、場合によって同店が「実験台」となって検証。その結果をフィードバックしていく。「一人で運営する当店にとっても、あらゆるアイデアがもらえます」

当面は会員数1000人が目標。実店舗を見てみたいという全国の会員が来店する相乗効果も見込む。

(2024年1月号掲載)