店内をロボット電車が駆け巡る―。鴻匠科技(ホンチェン、台中市)は、飲食店の配膳業務を自動化する鉄道型ロボット「ロボレール」を開発した。店内に張り巡らされた“レール”を通じ、できたての料理を自走式ロボットが厨房から席まで届ける。到着後はイルミネーションや音声で知らせる。

自動配膳システム開発

回転寿司のコンベアとは異なり、ロボットがUターンしたり、分かれ道を認識したりして走行する。そのため、店舗レイアウトに応じ、レールのコースをフレキシブルに設置できる。

また、Uターンや急カーブがあっても、走行速度を自動的に制御し、料理が崩れないようにする独自の安定化技術も採用した。ロボットに料理を収納して運ぶので、感染症予防も期待できるという。

店内のオーダーシステムとも連動。ロボットには衝突回避装置が内蔵されており、複数台の同時稼働が可能だ。

導入は店舗レイアウトを見た上で、同社が設計する。回転寿司店舗だけでなく鉄板料理やラーメン店、定食屋にも適用できるという。

羅匡毅副社長は「経営者にとって、少子高齢化による人手不足と人件費の問題は深刻です。サービスに集中するため、ロボットを活用してほしいです。飲食業の未来はロボット化にかかっています」と話している。

日本市場への本格展開を目指しており、メンテナンスやアフターサービスまでできる代理店を探している。

(2021年8月号掲載)