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市場価値3000万円超のギター再現

ギター専門店「ギタートレーダーズ」を運営するノース・ウエスト・ミュージック・トレーディング(厚木市旭町)は、現在の市場価値が3000万円以上とされる1950年代のヴィンテージエレキギター(1959年製のギブソン・レスポール・スタンダード)を、最新技術や職人技術を使ってリアルに近く再現した「SUNBURST(サンバースト)59」を開発した。130万円で限定販売したが、すでに完売した。

ギタートレーダーズ、1950 年代当時と同じ製法で

エレキギターは、ボディーに使用される木材の種類や年代、産地によって音の違いが出るため、現在の部材で生産しても同じ音は再現できないという。

こうした中、同社は当時のエレキギターに使用されていた木材に近い30~40年前の木材「ホンジュラスマホガニー」を入手。「昔の木材、製法に準じて作ったギターなら、近い音が出るのでは」(鷲田直樹代表)と、当時と同じやり方に徹して生産。専門企業も巻き込み、構成部品も三次元スキャニングして再現したほか、寸法のバラツキまでオリジナルと同じにするなど、かなりのこだわりを見せた。

材料調達の関係で今回は9本限定で店頭販売したが、わずか1週間で売れた。「まさか、こんなに早く完売するとは思っていませんでした」(同)としており、現在は追加生産をしている。

■有名アーティストも

ギタリストとしての活動経験もある鷲田代表が20年以上前に立ち上げたギター専門店。厚木本店のほか、渋谷区代官山にも店舗を構える。2店舗で常時600本のギターをそろえており、中でもヴィンテージギターは半数以上を占める。

鷲田代表が本場・米国で買い付けし、必要に応じて、所属する熟練職人たちが音に影響しないよう補修、店頭に並べている。何人もの有名アーティストたちが同社からヴィンテージギターを購入する業界の有名店だ。

コロナ禍でも業績は堅調。ここ数年は「高い価格帯の商品が売れるようになっています」(同)としており、消費者の志向の変化も感じているという。

(2022年5月号掲載)