金属加工・樹脂加工・その他加工

工業用ばねの技術を消費者に 文具のブランド開発

ばね製造、MAENI(旧・松村鋼機、綾瀬市吉岡東)は工業製品に使われるコイルドウェーブスプリング(商品名スクロウエイブスプリング)をベースにしたステーショナリーアイテム「ウェーブクリップ」ブランドの新商品を販売している。製造販売する工業用の特殊ばねの”機能性“と”美しさ“に着目し、これをステーショナリーアイテムとして販売できないか検討し、ブランドを立ち上げた。

機能性と美しさを生かす

工業用ばねの生産設備を活用することで、特別な設備投資を一切することなく、一般消費者向けのステーショナリーアイテム開発を実現した。

BtoC事業での販路新規開拓には、大きな壁もあったという。「コストを下げるために販売予測から大量生産をするなど、生産方法が違います。独自の商流もあります」と営業部の新盛篤さん。しかし、地道に事業を継続していくことでノウハウが蓄積できた。

4作目はスマートキーリング。スクロウェイブスプリングの特徴である波打ちながららせんを巻く特殊形状。波形の隙間に鍵を挟むことで爪を傷めずに鍵を通すことができる。通常のキーリングとは異なり、一度通した鍵が外れることもないという。

価格は、シルバーが980円(税別)。シャンパンゴールドは同1050円(同)。現在、Amazonなどオンライン通販と、東急ハンズ名古屋店を含む実店舗で取り扱っており、1月から累計で約4000個販売しているという。

松村朗社長は「キーリングは誰でも使う日常品。今年度は8000個の販売が目標です。自動車業界とは別の事業でも収益を伸ばしていきたいです」と意気込みを語っている。

(2020年1月号掲載)