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工場内リサイクルを実現

日本油機(相模原市中央区東淵野辺)は、プラスチック成形時に生じる廃材や余剰材を、再生ペレットとして再資源化できる装置「SRルーダー・バンビ」を進化させ、省スペースの小型機を開発した。そのまま使えて原料に再生できるのが特徴で“工場内リサイクル”を実現する。

プラの余剰材や廃材 現場で再資源化

従来機より設置面積を3割ほど削減。長さ1400×幅730ミリの省スペース化を実現した。キャスター付きで移動もできる。

工場から出たプラスチックの廃材を粉砕して装置上部のホッパー内に投入。そこから装置内部のスクリューシリンダーで溶融し、空冷。好きなサイズのプラスチック原料(ペレット)にカットして再資源化する。

「機能性に優れたスーパーエンジニアリングプラスチックなど、高価な材料の再資源化に向いています」と、営業部の近藤大揮さん。1時間当たり3~6キロの再生ペレットが製造可能。廃棄物の発生を抑えられるほか、材料コストも減らせるとして、国内外のプラスチック工場での需要を見込んでいる。4月に発売予定。価格は未定だが、将来的にはIoT(モノのインターネット)のセンサーを組み込むことも想定している。

同社はプラスチック成形機に用いられるスクリューの設計などが主力。「バンビ」は、プラスチック成形の世界に半世紀以上携わった故・市川十四男前会長が2003年に開発したもの。市川会長の妻・美代子専務が、子どものころ、シカのように快活だったことから付けられたあだ名を、製品の名称に採用したという。既存タイプはすでに韓国やタイなどアジアを中心に約20カ国に輸出。累計販売台数は1000台以上となっている。

(2018年1月号掲載)