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工場は「AIが運用する」

人の代わりにAI(人工知能)が工場を動かします―。竹升科技(GradeUpon Technology Corp.=GUTC、竹北市)は、工場を完全自動化するAI内蔵のコントロールボックスを開発。台湾を代表する世界的半導体メーカーや液晶メーカーなどに続々と採用されている。

完全自動化実現の装置開発

1台のボックスで、無人化に必要な要素を網羅。具体的には、製造設備を遠隔コントロールできる機能のほか、カメラと内蔵AIを連動して設備操作をディープラーニングさせるRPA(ロボティックプロセスオートメーション)のような機能、各種センサー(温湿度、圧力、振動、流量など)からの情報を管理、集計する機能などがある。

遠隔操作では、離れた場所にいるエンジニアが専用グラスを装着、AR(拡張現実)画面を通じ、実際の設備が動かせる。これにより、離れていても設備の異常があれば対応できるという。

「クルマの自動運転のようなことを工場の生産設備で実現できます」と方泰又総経理は説明。既存の製造設備への“後付け”も可能だ。

方総経理によると、半導体などの、最先端電子産業は、十数年前と比べ、自動化が急速に進んでおり、無人化やIoTを駆使した遠隔操作に対するニーズが高い。実際、何カ所かの半導体製造工場では完全無人化とAIによる管理を実現しているという。

方総経理は「人がいなくても、ものづくりができるようになります」とし、同装置は、電子産業以外の分野にも応用できるという。

今後は人手不足が進む日本の製造業市場への展開も視野に入れており、パートナー企業を探す。

(2021年9月号掲載)