住まいの産業 / ライフサイエンス

屋内外サインから装飾品までワンストップ

サイン・ディスプレー制作のサンプロセス(横浜市青葉区荏田町)は、ワンストップを強みに次々と受注を獲得する。「屋内外を問わずサインなら何でもやります」と杉本陽介取締役。看板のほか、商業施設のディスプレーやデジタルサイネージまで、その守備範囲は広い。どんな仕事でも、営業時の打ち合わせから制作、設置までを極力外注することなく、担当者が最後まで同席するスタイルで、顧客の安心感につなげている。

あらゆる注文は「最後までやり抜く」

「当社の特徴は(サインの)制作と現地設置作業の両方ができることです。打ち合わせから設置まで、一人の担当者が最後まで責任を持ちます」(杉本取締役)と、一気通貫体制を築く。

現在、大手百貨店や学習塾、医療施設などの幅広い顧客層を持つ。

2020年の新型コロナウイルス感染拡大直後は、百貨店関連からの受注が減ったものの、その分「コロナ禍をきっかけに開業する人たちが増えました」と、美容院や学習塾などから看板制作の依頼が増加し、盛り返した。今では百貨店関連も回復してきたという。

事業再構築補助金を活用し、ベルギー製の最新鋭マルチカッティングマシーンも導入した。設計データではなく、デザインデータから直接出力できるもので、金属以外のあらゆる素材に対応する。これにより、生産効率が大幅に向上。これまでは手作業で、しかも形状によって複数人必要だったカット工程の時間が大幅に短縮された。しかも曲線や立体形状でも仕上がる。

■新工場の内装は自分たちで

約2年前に現工場を建設した。その際、内装部分の多くを専門業者に頼まず、社員たちが手探りで仕上げた。壁や床材などの建築物の内装は、普段手掛ける屋外広告・装飾品とは異なる世界。しかし、あえて自分たちがやったことで「生きた勉強になりました」と語る。

「通常、私たちの仕事は建物が完成してから始まりますが、建物の構造や工法を実際に体験したことで、お客さんとの打ち合わせや提案もスムーズになりました」。

「顧客からの注文は断らず最後までやり抜く」を合言葉に、さらなる成長を見据えている。

(2022年11月号掲載)