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室内の個人の動き、リアルタイム表示

台湾ベンチャー企業、P-Square(新竹市)は、施設内にいる個人を認識し、その動きをリアルタイムでマップ上に表示するIoTシステムを開発した。「位置決めソリューション」として展開していく。

P-Square、位置決めソリューション展開

Wi-Fiやブルートゥースなどの通信機能が内蔵された小型ビーコンを身に着けてもらい、室内に設置された複数の中継点を経由して位置を発信する。ビーコンは固定された設備にも設置できる。同システムを使えば、現在、室内のどこに人がいて、どんな設備を使っているかが一目瞭然で分かるようになる。

ビーコンは腕時計タイプや首かけタイプなどがあり、目的に応じて設計可能。バイタルセンサーやSOSを発信するセンサーなども組み込める。UWB(超広帯域無線通信)を使えば、30cmの精度が出せるという。まずは導入企業から施設の図面を提供してもらい、そこから位置決めシステムを設計していく。

同システムを導入する病院では、患者の位置や手術室の様子などを把握しており、万が一、患者が一定の場所から離れたり、敷地内を出たりすると警報が鳴るようにカスタマイズした。一方、工場では生産管理や安全管理に役立っているという。記録装置の容量次第だが、本人の行動履歴も残せる。

「日本市場での展開も見据えています」と代表の郭倫嘉博士は話しており、日本国内協業先を探す。

(2022年1月号掲載)