住まいの産業 / ライフサイエンス

学校給食から生まれたPB商品 国産食材を個人向けに

黒光商事(東京都大田区東雪谷)は、学校給食向材卸業をベースに事業領域を拡大する。国産の高品質食材を扱う強みを生かし、個人消費者向けプライベートブランド(PB)商品の販売や、食品セレクトショップ向け卸販売の開拓も着手する。本業の営業エリア拡大にも取り組み、物流量の拡大に対応するため配送拠点を川崎南部市場内に移す。

「給食は良質なコンテンツ」

1954年創業。東京23区および川崎、横浜市内の小・中・高校と給食センター、計約500校に肉、魚、野菜、米穀、乾物など幅広い食材を毎日納入している。

削り節や海苔を商品化

扱う食材はほぼ全て国産。岩手県のメーカーと協力した無薬飼育の鶏肉「学給とり」や、東京都江戸川区の栽培農家と契約した地域名産の小松菜など、各地の優れた食材を開拓・調達している。

販路拡大のため、5年前からPB商品の開発に着手。削り節や海苔(のり)、チーズ、お米など10品目以上に品ぞろえを拡充する。

社名にかけたニワトリのキャラクター「こっこちゃん」のイラストを使い、同市場内の学校給食の食材を知ってもらうアンテナショップ「スクール ランチ マルシェ」などで販売している。

同市場内の営業拠点は大田区本社の3倍の面積を確保しており、約30台の車両を運用する配送センターの機能を順次川崎へ移していく。

「給食からさまざまな企画立案」

2024年は創業70周年にあたり、将来に向けた新たな経営の柱を育てる。今後は、健康志向の食材を扱うような食のセレクトショップとの取引を開拓、将来的には海外市場への展開も検討していく。

松本吉広社長は「給食は日本人の99%が食べた経験を持ち、教育の一環として国産の良質な食材を扱う優れたコンテンツです。給食からさまざまな企画を立案する会社にしていきたいです」と話している。

(2024年7月号掲載)