鉄鋼資材の収集運搬を手掛ける協和商会(川崎市川崎区浅野町)は、2023年3月をめどに太陽光パネルのリユース・リサイクル事業に乗り出す。大規模太陽光発電(メガソーラー)施設などからの使用済み太陽光パネルを回収。リユースできるものは、災害時の非常用電源として地域の医療や福祉施設に提供する。リサイクルに回すものは、福島県いわき市にある協力工場内で導入するリサイクル設備で再資源化していく。
協和商会、使えるものは地域防災に
メガソーラーなどで発電効率が50%を切ったパネルや、破損したパネルを回収・買い取りの対象とする。回収後、同社がリユースするかリサイクルかを見極める。
このうち、リユースするパネルは、地域防災につなげてもらうために無償提供する(設置や管理費用は有償)。
一方、リサイクルに回す場合は、太陽光パネル製造装置を手掛けるエヌ・ピー・シー(東京都台東区)が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援で開発した「自動解体装置・ライン」を活用。再資源化していく。
同装置は、特許技術「ホットナイフ分離法」により、太陽光パネルのガラス部分と金属部分を短時間で分離できるもの。
協和商会では、ガラス原料や銅(Cu)や銀(Ag)などのレアメタル材を回収、資源として販売することを想定している。
同社は約3億円を投じ、福島県の協力工場内にラインを設置する予定で、受け入れ体制を整備。処理量は1時間当たり最大40枚を見込む。
小川信彦社長は「太陽光パネルは長寿命化していますが、震災後に間もなく設置されたものは寿命を迎えてきます。そのため、回収・リサイクルする必要があります」と説明。今後は全国のメガソーラー事業者などに働きかけていく考えだ。
5年後には主力事業の一つに育成し、会社全体で売上高8億円を目指す。