繊維強化プラスチック(FRP)造形、大久保工芸(相模原市中央区上溝)は、超大型の3Dプリンターを導入した。イスラエルのMassivit(マシビット)製。最大で高さ1.8mの大型モデルが製作できるほか、精度を問わなければ、他の出力方式と比べ3~4倍の高速出力が可能という。今後は同プリンターがどんな分野に使えるかのニーズを探っていく。

高さ1.8mのモデル製作も可能

導入したのはマシビットの「1800Pro」。全世界で145台使われており、国内では同社を含め8カ所にしか置いていないという。

出力モードは3段階。ノーマル(積層1層当たりの厚さ=精度)は1.3mm、クオリティモードは同1.0mm、ハイレゾリューションは同0.8mmとなっている。

大久保亘社長は「精度を求めない大型造形に向いています」と説明。中でも大型モデルをFRP造形した場合と比べ、作業時間が3~4倍程度早くなることから、短納期の案件などを想定する。

同プリンターで使用するアクリル系樹脂素材は、紫外線に弱く、強度も出せない難点があることから、造形後は要望により、FRP加工や骨組み補強、表面処理なども施す。

すでにゲームの実物大キャラクターやオブジェなどを制作。今後は「(同プリンターが)どんな分野で生かせるのかを見極めていきたいです」(大久保社長)とし、積極的にPRしていく。

(2021年9月号掲載)