東芝セキュリティ・自動化システム事業部は、既存のコンピュータ端末などに外付けするだけで安全な通信環境を実現するIoTソリューション「CYTHEMIS」(サイテミス)を開発・商業化した。ローカルネットワーク環境とPC端末などの間に専用デバイスをLANケーブルで接続することで、通信状況を端末1台ごとにクラウドで監視・保護し、ファイアウォールとして働く。
「セキュリティの延命装置」
セキュリティ強化を目的に従来のセキュリティソリューションを導入した場合と比較して、約43%のCO2排出量を削減した。リプレースや更新が難しいレガシー機器が残りがちな大学や研究室など、公共性の高い施設を中心に導入が進んでおり、セキュリティの担保と環境負荷の軽減を両立させた。
「CYTHEMIS」は手のひら大の外付けデバイスを使って、簡単に高い安全性を有する通信環境を実現する。LANケーブルを使ってローカルネットワーク環境と、保護したいPC端末などの通信機器をつなぐと、「デバイスが通してよいデータだけを通し、不正なデータは通信を遮断した上でクラウド上の管理システムに警告通知を上げます」(岩崎研吾・東芝セキュリティ・自動化システム事業部エキスパート)。
マルウェアなどによるサイバー攻撃は日々高度化、悪質化しており、装置の寿命が長期に及びリプレースが難しい研究装置や、OSの更新が困難な機器では、単体ではセキュリティに不安が残り、ローカルネットワーク環境につながずスタンドアローンとして利用しているケースが多い。これらの装置でも、「CYTHEMIS」を適用することによって安全なネットワークを構築できる。
2019年の発売以来、すでに1000台以上を出荷済みで、大学や国の研究機関、医療機関などで「セキュリティの延命装置」(岩崎氏)として稼働している。デバイスの開発・製造に際してはカーボン・オフセットを活用した都市ガスを使用することで脱炭素化も推進した。
岩崎氏は、「サイバー攻撃で防御が突破されると被害は非常に大きくなります。今回の認定はセキュリティ対策の大切さと環境配慮の取組の両立をアピールする上でプラスになると考えています」と話している。


