ダンウェイ(川崎市中原区新城)は、障がい者の特性や能力を見える化するクラウドシステム「シームレスバディ」の販路拡大を進める。障がい者雇用におけるミスマッチを防ぐため、個人の得意・不得意分野を見極められるシステムだが、今後は日本語による会話能力が十分でない外国人従業員の雇用現場にも広げる。日本語を完ぺきに理解できなくても、同システムやアセスメント(理解度確認テスト)を通じ、特性・能力が分かるため、適正配置のヒントにもつながるという。

特性や能力を見える化

障がいといっても、人により状態や程度が異なる。今までは障がい者の特性を見える化できるツールがなかったため、同システムが開発された。障がい者の能力が発揮できる就労先への送り出しに役立てようと、現在、大手通信教育会社や埼玉県内の障がい者雇用事業などに採用されている。

同システムは、対面による専用アセスメント(オンライン含む)を実施した後、結果と障がい者の基本情報を登録すると、その人の能力や特性を「基本評価 36+職業能力」 のブロックチャートで表示。

このチャートでは「数」や「空間」「関係性」など、目で見たものと耳で聞いたことを、本人がどの程度理解しているかが分かる。

今回、同システムが外国人採用をしている制御盤設計の東京エンヂニアリングの目に留まった。

同社は、日本語での会話能力が十分でない外国人社員たちの働き方や採用後のミスマッチに悩んでいた。そこで、同システムで個々の特性を見える化すれば、個別サポートやミスマッチを防げるとして導入を決めたという。

ダンウェイの高橋陽子社長は「障がい者雇用も外国人雇用も、困っていることや課題で共通点があることを知りました。外国人材の比率が高い企業も有効活用してもらえたら…」と話している。

(2021年6月号掲載)