住まいの産業 / ライフサイエンス

墓石のベトナム生産を開始

総合墓石メーカー、冲セキ(川崎市川崎区砂子)は、海外サプライチェーンの見直しを進める。これまでは石材生産の大半を中国工場が担っていたが、コロナ禍によるリスク分散を図るため、ベトナムでの生産も開始。ホーチミン近郊の現地企業と独占契約し日本に供給する。一方、同社が国内で普及させているガラスを使ったデザイン墓石の海外展開も進める。

冲セキ、ガラス墓石の海外展開も視野

中国・福建省の工場で生産し、日本の石材店などに卸していた。同社は墓石の供給量で県内シェアトップを誇っており、今後は中国での生産量を維持しつつ、委託先のベトナム工場での生産もテコ入れする。近い将来には海外生産比率を中国とベトナムで半々に持っていきたいとしている。

一方、それに並行してガラス墓石の海外展開も模索する。同社は8年ほど前に、川崎市内で盛んなガラス工芸を用いたデザイン性がある墓石を開発しているが、ベトナムと中国での現地販売の可能性も探っていく。

ガラス墓石は、温湿度の変化に強いガラス素材から開発したもので、特許も出願している。デザイン性も優れていることから、沖縄を中心に人気が高まっているという。今後は海外富裕層にも“日本デザイン”のガラス墓石の販売が見込めるとしており、事業化を目指していく。

(2021年2月号掲載)