プリント基板設計の駆け込み寺に─。ケーエムシー(川崎市幸区東古市場)は、プリント基板のアートワーク設計(PCB設計)を展開する。大手電機メーカー出身で、28年のキャリアがある勝呂和美社長が、専用ソフト「アルティウムデザイナー」による設計を担当。片面基板から高密度・高多層基板・ビルドアップ基板、フレキシブル基板...。あらゆるタイプに対応していく。価格や納期も「小回りが利く中小企業ならではの利点を生かし、できる限り対応したいです」(勝呂社長)と話している。

あらゆるタイプに対応可能

あらゆる電機製品や産業機械などに欠かせないプリント基板。それを設計する技術者は、基板上にどう部品を置いてどう配線するかを決めていく存在だ。しかし、頭脳と体力、手先を駆使したハードワークが求められるために、国内でも人材が少ないとされる。

同社はプリント基板設計に特化した県内でも珍しい存在という。現在、企業の大小を問わず、LEDの制御やブルートゥース、レーザー関係など、年間で100種類近くの基板設計を受託。同社への依頼のほぼ100%が口コミという。

もともと大手電機メーカーの半導体関連部門で開発業務に携わっていた勝呂社長。脱サラ後にもさまざまな業種に転職して経験を積んだ後、2016年4月に会社を設立した。

人材を豊富に抱える大手企業であれば基板設計も内製化できるものの、中小企業は難しい。最近では大手も人件費が上がっているため、外注する動きがある。そのため、同事業のニーズは今後も高いとしており、販路拡大を進めていく。

(2023年6月号掲載)