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基幹部品、海外から国内生産にシフト

ブルー・スターR&D(相模原市中央区横山台)は、同社で製造販売する「超音波バリ取り装置」で、これまで海外企業に委託していた基幹部品の生産を、国内自社生産に切り替えた。同社が進めるサプライチェーン(部品供給網)見直し策の一環。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を背景に、一時期、海外からの部品輸入が滞り不安定になっていた。国内自社生産の方が、数倍のコストがかかるものの、安定生産が可能になるという。

ブルー・スターR&D、安定供給狙い見直し

同社のバリ取り装置は、水に超音波を当てると発生する「キャビティー」と呼ばれる微細な泡を用い、対象物の表面を傷付けることなく、付着したバリを除去する技術。

人員と労力を要していた部品のバリ取り作業が自動化できるとして、大手自動車メーカーを筆頭に続々と採用されており、精密部品や電子部品などにも利用されている。

今回、自社生産に切り替えたのは、バリ取りができるほどの超音波キャビティーを発生させるために必要な「大型超音波振動素子」。国内で量産する企業がないため、同社では大学や取引先などの協力を得ながら量産技術の開発を進めていた。そして昨年6月、第1次試作に成功。今年1月までには連続1000時間の発振テスト、各種特性試験を実施して性能を確認した。年内には月1000個の生産体制を整える。

柴野佳英会長は「自社生産に切り替えたことで、コストは上がりましたが品質は大きく向上しました」と話している。

(2021年4月号掲載)