住まいの産業 / ライフサイエンス

地震でゆがんだドアを開ける 滑るプレートをドア枠に

アペルタワークス(川崎市多摩区長沢)は、地震対策ドア製品「アケルくん」を集合住宅や工場、介護施設向けに展開する。各地で続く大地震では、ドアがゆがんで開かなくなり、脱出できないケースが発生しているため、摩擦の小さなアルミプレートをドア枠に貼り付け、ドア枠が変形しても滑って開くようにする。初年度300セット、3年以内に1000セットの販売を目指す。

集合住宅や工場向け

同社は2024年3月に資本金100万円で設立。特許を保有する一級建築士から商品を仕入れ、総代理店として取り付けを担当する。

「アケルくん」は最初の特許の有効期間が切れ、今回は改良モデルで改めて特許取得し展開したという。材質を樹脂からアルミに変更、長さもドア枠の上下通しでなく190ミリメートルの短いプレートを分割して貼る方式に変更し施工性を改善した。

企業のBCP(事業継続計画)対策として提案

プレートは開く方向に向けて薄い形状で表面はシリコン/フッ素系の塗料で滑りやすくし、反対にドア枠側の面には溝を掘って確実に固定できるよう工夫した。

「ドア枠が地震でゆがんでも小さな力で開ける。今後もコーティング剤や固定方法の変更などさらに改良を進めていきます」(芦澤渉社長)という。

工場の災害対策など企業のBCP(事業継続計画)対策として提案するほか、介護施設や学校など公的な施設も狙う。

営業の提案から現地調査、施工まで一括対応する。価格は4枚のプレートの施工まで含めた1セットで2万円程度。受注数量によって割引価格も提示する。

将来的には消費者が自分で施工できる製品の販売や、海外市場での販売も検討している。

(2024年8月号掲載)