メディカルアーツ(川崎市中原区上新城)が急成長を遂げている。整骨院を中心とした地域医療福祉事業の多店舗展開を図っており、現在の整骨院11、児童福祉施設7、介護施設2の計20店舗から、5年後には3倍の60店舗に増やす計画だ。同時に、店舗運営を支える人材の採用・育成を進め、売上高も5年後には約3倍の20億円を目指すという。
整骨院から介護、児童福祉へ
同社は2005年にひらま駅前整骨院(同市中原区北谷町)を開業し、店舗展開を開始。11年にはデイサービス拠点を開設して介護事業に参入、16年には児童デイサービス拠点で児童福祉施設事業へと拡大した。
整骨院に通う高齢者に介護サービスを提供、そして介護デイサービスの経験を児童デイサービスに生かすなど、事業間の相乗効果を生かしたビジネスモデルが奏功。事業拡大に成功している。現在、社員数130人を擁する。
多店舗展開は21年から整骨院事業を中心に開始。新規採用を確保するため、店舗や会社単位の面談や懇親会を通じて社内の一体感を醸成するとともに、残業を抑制するなどして外部のホワイト企業認定(一般財団法人日本次世代企業普及機構)、かながわ健康企業宣言(全国健康保険協会神奈川支部)などの認定を取得した。
■人材育成にも特徴
人材育成も特徴的だ。入社から2年間、業務時間内の新人研修では、施術の理論や実技のほか、社会人としてのマナーまで教え、現場配属後も毎週1回の研修を続ける。
同時に、一人一人のキャリア希望を聞き、院長や独立開業を目指す「マネジメントコース」なども設置。希望者には、経営者の心構えを伝え、多店舗展開を支える幹部を育成する。
設備の高額化など整骨院の新規開業が難しい中で「将来的には社員に店舗の営業権を譲る形でのれん分けも認めていきたいです」(今井英弥社長)と話している。