住まいの産業 / ライフサイエンス

地元商店街の安心安全に全力

アタカ(川崎市中原区木月)の金田芳哉社長が商店街の安心安全を守るために奔走している。費用面がネックとなり、防犯カメラの新設や入れ替えができない商店街に対し、高性能ながらも導入しやすい価格帯で無線システムをアレンジして提案。元住吉のブレーメン通り商店街や、川崎駅近くのたちばな通り商店街などで採用されている。

第二の人生は「地域のために」

2023年3月に東急線・元住吉駅前そば店での従業員による強盗の虚偽通報や、6月に川崎駅西口の時計店で発生した白昼強盗事件でも、同社が設置した防犯カメラが捜査に活用されたという。

金田社長によると、市内には約190の商店街があるものの、防犯カメラが設置されている商店街は約4分の1にすぎない。新規導入する際は、自治体から一部補助金が受けられるものの、維持管理費用を含めると、設置台数が多いだけに商店街にとってはハードルが高い。

そこで金田社長は事情に応じ、市販の防犯カメラシステムを仕入れてカスタマイズ。出荷前検査も自ら行い納入している。先にブレーメン通りに納入した無線カメラシステムは、従来の6分の1以下の低価格だったという。

■「地元の役に立ちたい」

金田社長は外資系の半導体や通信系企業で活躍。多忙な生活を送っていたが、60歳手前になり、長年住んでいるはずの地元を知らないことに気づいた。

そして「これからの人生は地域のために」と、ITや通信系に関わる豊富な知識を生かし、地域密着のITコンサルタントとして一念発起。“ITお助け隊”として、ちょっとしたパソコン修理からスマートフォンの使い方まで、身近な「困った」に対応している。防犯カメラもその一環だ。

「今後も商店街の安心安全のための力になりたいです。また、ITの知識を生かして地域活性化に役立つようなアイデアも出していきたいです」と語る。第二の人生は「地域貢献」。今日も地域を駆け回っている。

(2023年9月号掲載)