旭光通信システムは、本社を川崎市高津区久本から同市川崎区南町に移転し、本格稼働させた。移転を機に働き方改革を進め、営業や総務を問わず、本格的にテレワークも導入。原則週2回まで可能とするほか、それ以上も許可があれば在宅勤務ができる。また、1日のトータルで8時間勤務になれば、好きな時間に出・退勤できるようにもした。働き方改革を進めることで社員の定着率向上にもつなげていく。
働き方改革で狙う定着率向上
同社は駅の構内で使用される電話機や指令電話システムを手掛けるほか、高速道路で見かける非常電話の開発・製造などの通信事業も展開する。
特に鉄道の指令電話と高速道路ETCレーンのインターホンではトップシェアを誇る。現在、青森県八戸市に2工場あり、大阪と札幌に営業拠点を持っている。
川崎の新本社は、JR線・川崎駅近くのオフィスビル5階。ここに営業部と技術部、総務部の25人を集約した。本社移転を機に就業規則を見直し、これまでの電子タッチによるウェブ勤怠管理を撤廃。人事考課制度を成果型にするとともに「自由度を高めた就業規則にした」(酒井元晴社長)という。
今では営業のみならず、経理や技術部門でもテレワークが浸透。中には週3回、在宅勤務する経理担当や、自宅からクラウドシステム経由でCAD図面を描く技術社員もいるという。勤務時間もフレキシブルにし、午前6時台から出勤可能で、トータル8時間勤務すれば退勤できるようにした。
■非常電話機の遠隔監視システム
一方、同社は高速道路に設置されている非常電話の新型機を開発した。数多く設置された非常電話は、定期点検が義務付けられているが人手不足の問題に直面している。
新型の「非常電話機遠隔監視システム」が搭載された非常電話機は、電話機の点検を遠隔で指示し、無人で作動する。
具体的には、遠隔指示により受話器を自動で上げて、中央のセンターに向けて自動でボタンを押して発信。音声なども確かめる。業界の人手不足により今後は新型への切り替えが進むとみており、現段階でも7000台ほどの市場が見込めるという。