横浜光(横浜市鶴見区佃野町)は、日本プロボクシング協会加盟の「横浜光ボクシングジム」を運営する。2000年に世界2階級制覇した畑山隆則氏が所属し、現在もプロ選手25人が世界を目指す名門ジムであると同時に、一般会員150人が汗を流す。親しみやすい雰囲気の中にも「プロ選手の大きな試合が近づくと、一般会員さんが『私のことはいいから、選手の調整に集中して』と言ってくれたりします」(石井一太郎社長)という、根っからのボクシング好きが集まる本気の世界だ。
価値観を共有するリング
横浜光ジムは、実業家であった宮川和則氏が、往年の名ボクサーだった関光徳氏を会長にして1995年に設立した。関会長が2008年、宮川氏が11年に他界し、同年、日本ライト級王者だった石井社長が新会社「横浜光」を設立して経営を引き継いだ。
石井社長は一般会員も募集して経営を安定させ「海外のジムのように、チャンピオンと子供が一緒に練習して拳をタッチする雰囲気」(同)を目指したという。
現在の売上高は、プロの興業・スポンサー収入、一般会員会費の2本柱に加え、若いプロ選手が練習に支障なく働ける場を用意するため軽作業も請け負っている。
一般会員は40、50代の中小経営者やサラリーマンが多く、それぞれの体力に応じて練習できる。
練習メニューや指導するトレーナーはプロと同じ。24年6月には近隣の別ビルに移転し、メインのボクシングジムと別の部屋に貸し切り用のリングを備えた「パーソナルボクシングジム」を開設。プロと同じ実戦に近い練習ができるようにした。