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台湾への日本企業発信を支援 光エレクトロニクス分野で連携を

光電科技工業協進会(PIDA)は、世界的に存在感を強める台湾の光エレクトロニクス産業で、業界の発展やイノベーションを起こすことを目的とした産学官の連携組織だ。現地大手・中堅サプライヤーを中心に会員が構成され、日本との連携にも意欲を示している。台湾に進出して連携したい神奈川県内の中小企業へのサポートも行う方針だ。今後の展開について程道琳執行長に聞いた。

光電科技工業協進会・程執行長に聞く

─PIDAについて教えてください。

「30年以上の歴史があり、台湾で唯一、光エレクトロニクス産業に特化した組織です。現在、約100社・団体が加入しており、毎月増えています。台湾積体電路製造(TSMC)などのサプライヤーも多数存在します」

程道琳・光電科技工業協進会執行長

─具体的な活動について教えてください。

「シリコンフォトニクスや化合物半導体、量子インターネットなどの注目技術を毎年決め、それらに関する最新の技術動向を会員向けに定期的に発信しています。また、各テーマに対し、情報交換会なども定期開催しています」

─マッチング支援にも力を入れているそうですが。

「会として強みにしているのがマッチングです。会員同士をはじめ、会員と国外企業とのマッチングも実施しています。もちろん、今後は神奈川県内の中小企業もターゲットです。当会のマッチングはかなり特徴的と言えるかもしれません」

─具体的には。

「まず会員企業を私たちが『取材』して情報発信します。その記事を英語に翻訳し、海外の協力団体に配信します。インタビューを通じてマッチングのニーズをつかみ、他の組めそうな会員企業と一対一で引き合わせます。そのほか、テーマを決め、関連する会員数社を集めたスモール情報交換会も頻繁にやっています。こうした取り組みが奏功し、今年度は提携した件数がすでに12件になりました」

─日本企業に伝えたいことは。

「台湾企業との連携希望がありましたら、会員にも紹介します。逆に日本市場への進出や日本企業と連携したい当会の会員情報も積極的に発信したいと思います」

(オンライン取材、2025年4月号掲載)