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加工業の受発注プラットフォーム開発

ゼロフォー(厚木市中町)は、人工知能(AI)を活用した金属加工製品の受発注プラットフォームを開発し、11月から運用を始める。発注企業が生産してほしい金属製品の3次元CADデータか2次元図面をプラットフォーム上にアップロードすると、独自開発した「形状解析エンジン」が部品点数や各部品の加工方法などを自動判別。部品ごとに対応できる金属加工業者の一覧を示し、見積もり依頼ができる。加工業者は3次元CAD解析ファイルのデータや2次元図面を元に、見積もりを出す。営業が苦手な加工業でも、登録するだけで新規依頼が獲得できる仕組みだ。

ゼロフォー、中小製造業の営業負担を軽減

■熟練でなくてもAIが判別

「Goku(ゴクウ)」と名付けた同プラットフォームは、発注企業からの3次元CADデータなどを“自動解析”できるのが最大の強み。

具体的には、図面をベースに、まずは板金加工品・製缶なのか機械加工品なのかをAIが判別。そして構成パーツを自動分類し、それぞれに必要な加工方法を表示する。その後、パーツごとに対応できる登録企業(加工業者)のリストを提示し、見積もり依頼を一括送信できる。

図面上で部品の形状を見極め、加工方法を判断するのは、従来は熟練者しかできなかったという。その点、同プラットフォームは解析エンジンで自動化した。「(受発注の)ミスマッチも防げます」と、石田浩太郎社長は説明する。

一方、受託側の加工業者は、同プラットフォームへの登録時に、自社が保有する設備や、対応する金属材料、厚み、重量、納期対応などの詳細を記入する。発注者からの3次元CADデータ解析ファイルは、無償配布される専用ソフトで閲覧が可能だ。

その際、同社で販売している、見積もりを即時に自動算出するシステム「iQシリーズ」を利用することで効率化できるという。発注企業が依頼する加工業者を決定した後は、直接取引になる。

■樹脂部品などにも拡大

発注企業の利用料は原則無料(同社の契約サーバーを活用する場合)。加工業者の基本使用料は月額1万円で、見積もり1件ごとに金額の3%を支払う。将来的にはオプションにより、リスト表示の上位に表示される仕組みも検討。板金や製缶、機械加工だけでなく、対象を樹脂部品などにも拡大していく。

「加工業者にとっては、営業マンを雇う必要がなくなります」と石田社長は話しており、2023年は1000~2000社の参加を見込む。

(2022年9月号掲載)