台湾の電子部品メーカー、富致科技（Fuzetec、新北市）は回路保護ソリューションを提供する企業。中でもPPTC（ポリマー相変化温度）に強みを持つ。PPTCは、回路に過大な電流や熱が発生した場合に、内部のポリマー材料の結晶構造が変化して急激に抵抗値が上昇し、回路を保護する「リセッタブルヒューズ（再使用可能なヒューズ）」と呼ばれる。
車載用途で大手メーカーが採用
同製品は過電流や短絡から回路を保護するためのデバイスで、主に安全基準が厳しい車載用として採用。「Fuzetec」ブランドで世界50 カ国以上で販売。多くの国際特許と認証を取得しており、日本や米国の大手自動車メーカーでも採用されている。
「独自のレシピで配合する」（陳繼聖董事長）とするポリマー技術により何千回も繰り返し使えるリセッタブルヒューズは、厳格な基準とされるUL1434によって認定されている、交換せず6000回以上も継続して使えるのが、同社によってのスタンダードという。
「販売開始25年間で交換が必要になった事例はありません」（陳董事長）という。
現在、電気自動車（EV）のアジア市場における需要拡大などが追い風になり、生産規模を1.8倍に高める新工場も年内に稼働させる予定で、日本での販路拡大も見据えている。
