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工場丸ごと見える化

精密締結部品製造、ミズキ(綾瀬市小園)は、工場内にある生産設備100台全てをIoT(モノのインターネット)化した。1000万円以上を投じ、各設備にゲートウェイを設置。生産管理システムと連動させることで“ 工場まるごと”をリアルタイムで見える化した。これにより、計画的な生産の実現とそれに伴う在庫ロスの低減を図り、収益性を高めていく。構想から1年半をかけたという。

締結部品、在庫ロス低減へ

ねじやシャフトといった精密締結部品の専門メーカー。年間2000種類以上の締結部品を手掛けており、ハードディスク駆動装置(HDD)や自動車部品、デジタル家電などに供給。有名な米・スマートフォンメーカーへのパーツ供給もしている。

締結部品の世界では「10万個」「100万個」単位ながらも、安定生産、不良ゼロが当たり前になっている。そのため、現場では「機械のコンディションが良い時に多く生産しておきたい」、営業部門では「安心在庫を持っておきたい」という“どんぶり勘定”的な考えが根強くあったという。

ただ、在庫となった製品は、結局使われなく廃棄するムダもあった。また、営業と技術で情報共有できていないことがあり、お客さんから緊急注文が入った製品では、仕掛り在庫があるのにもかかわらず、現場に生産を頼むこともあった。

■生産状況を〝見える化〟

今回、こうしたムダを一掃しようと、IoT化を断行。各生産設備にIoTデバイスを取り付けたことで、社内の誰もが現在稼働している設備ごとの生産状況を随時把握できるようになった。

「生産計画も立てやすくなり、製品の所在が分かることで、これまで在庫が『ない』と思って緊急生産していたムダもなくなります」(水木太一社長)と言う。また、各機械から収集したデータを「機械」「ヒト」「製品」など、さまざまな角度で解析し、結果を活用していきたいとしている。

(2019年7月号掲載)