学童・保育施設を運営する、みんなのおうちバンビのピエノ(川崎市麻生区上麻生)は、横浜市青葉区鉄町にイチゴ農園を開業した。新型コロナウイルス禍による行動制限でイベントが中止になった子どもたちを喜ばせたいと、土地の一部や栽培設備を購入して開園した。農業体験の機会を食育につなげ、収穫したイチゴの販売を通じた地産地消も目指す。
農業体験や食育につなげる
「Pieno Farm(ピエノファーム)」は、約2000平方メートルある敷地内に整備したイチゴ栽培の農業用ハウス。保育園に通う子どもたちを対象にした農業体験だけでなく、保護者も参加するイチゴ狩りなども企画する。
「イチゴはみんなが好きな食べ物です。自分たちで育てて収穫したものを食べるという経験は貴重なものになるはずです」と同農園の石村元代表(保育士)。
収穫したイチゴは地域で販売するほか、地元の洋菓子店などで使ってもらうことも視野に入れる。
■将来は雇用創出も
川崎市内に保育園を計3園、学童を1施設運営。コロナ禍前はキャンプや川遊びなどのイベントを開催しており、子どもたちも楽しみにしていたが、行動制限で相次ぎ中止せざるを得なくなった。
「それなら、行動制限に左右されないよう、自分たちでイベントができる施設がないかと考えました。それがイチゴ農園でした」と石村代表。
構想を練り、県の「ビジネスモデル転換事業費補助金」にも採択された。今後は農園事業を軌道に乗せ、雇用創出にもつなげていきたい考えだ。
【取材メモ】
石村代表はかつて競泳の1500メートル自由形を主戦場に名をはせた経歴を持つ。高校時代は国体とインターハイで優勝。日本代表として五輪出場を目指しながら国際大会でも活躍した。2006年ビクトリア・パンパシフィック選手権にも出場している。引退後は税理士資格を取得。現在、親が創業した学童・保育施設の運営をしながら、小学校で税金の授業を行うなど地域活動にも積極的だ。