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店舗・従業員・顧客の”三方よし”とは?美容室が挑む生産性向上

美容室ZuKKa(ズッカ)(川崎市中原区小杉町)が、顧客と美容師、店舗の「三方よし」を目指す新たなビジネスモデルに挑戦している。大手美容室チェーンなどでの勤務を経た佐藤和樹代表が独立し、2025年9月にオープンした。美容師歴14年の経験で通じた教訓をもとに、従業員と顧客の満足度向上を両立させる生産性向上を目指す。

セルフドライシステムを導入

佐藤代表は20歳で上京し、美容師としてのキャリアをスタート。教育重視の会社で基礎を学び、その後は急成長を遂げた大手で生産性重視の経営を経験した。

14年間の美容師経験で、時代の変化と企業の在り方を学んだという。低価格路線で急拡大する店舗で従業員の疲弊を目の当たりにし、一方で価格を上げすぎると客足が遠のく現実も見てきた。美容室業界は相次ぐ倒産や働き方改革で、若い人材の定着にも悩む。

「働いた分、美容師が稼げるようにしたいです。ただ、お客さんにも喜ばれないと意味がありません。お客さん、美容師、お店すべてがハッピーになる“三方よし”でなければなりません」。共同出資してくれた相方とともに、新たなビジネスモデルでの独立に踏み切った。

佐藤代表は、カラー専門店のセルフドライシステムを部分的に導入することで、生産性向上と付加価値向上を図っている。

根元染めや白髪染めなど一部のカラーメニューでは、カラーリング剤の塗布とシャンプーは美容師が行い、ドライヤーは客が自分で使う。これにより、美容師の労力を最小限に抑え、客はその分、抑えた費用で利用できるようになった。

「空いた時間を使うだけなので、本来なかった売り上げが作れます」と佐藤代表は明かす。

さらに、セルフドライコーナーには、最新機種や機能性の高いドライヤーをはじめ、各種スタイリング剤も配置。客は自由に使用でき、気に入れば購入も可能だ。

白髪染めや根本染めは専門店、カットはいつもの美容院でと、今まではお店を使い分けていたものが一つの店でできるようになり、リピートしやすい仕組みを構築した。

美容室は「メニューの分かりにくさが課題です」と語る佐藤代表。そのため、専門用語を排除し、トリートメントはグレード別に3パターンのみにし、名前も分かりやすく工夫した。

定期的に通ってもらうために、カットカラー&トリートメントは6900円から1万3900円と、価格にメリハリをつけた。30代以上の女性をメインターゲットとしつつも、「年齢層もなるべく問わず、たくさんのお客さんに来てもらいたいです」と幅広い客層への対応を意識したという。

将来的には小杉・新丸子エリアで2店舗目、その後は東横線・南武線沿線への展開を視野に入れる。佐藤代表は「地域ナンバーワンを目指して頑張ります」と意気込んでいる。

(2025年10月掲載)