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伝統製法の飴、企業コラボ進む

1868(明治元)年創業の飴専門店、松屋総本店(川崎市川崎区大師町)は、JR東日本横浜支社とのコラボ商品を開発、発売した。鉄道開業150年の記念企画。飴(あめ)・パッケージに、鉄道開業当時に走っていた「110形蒸気機関車」をイメージしたデザインを採用した。松屋総本店のほか、JR・川崎駅や横浜駅、桜木町駅構内にある、エキナカコンビニ「New Days」など計19店舗で数量・期間限定で販売している。

松屋総本店、鉄道開業150年記念

これまでにも、川崎大師を発祥の地とする京浜急行をはじめ、スポーツチーム「川崎フロンターレ」「川崎ブレイブサンダース」など、地元企業とコラボレーションしてオリジナル飴を商品化している。今回のコラボは、JR東日本横浜支社の担当者からの「何か一緒にできないか」との声から実現した。

コラボ飴に採用された「組飴(人形飴)」は、とりわけ高度な技術と経験を必要とする技法で、職人が何度も試行をして完成させた逸品だという。価格は1箱40g 432円。

商品パッケージは、中身を取り出して解体し、自分で切り貼りすると110形蒸気機関車にもなる。「食べておいしい、見ても楽しい商品としました。鉄道ファンや子どもたちなどにも知ってもらいたいです」と、松屋総本店営業部の田中啓太さん。コラボ商品を続々と出すことで、同社商品にはなじみがなかった顧客の新規開拓にもつながっているという。

■全商品を職人が手づくり

同社の飴は全てが職人による手づくり。飴の煮詰まり具合やその日の天候によって微調整をしながら職人が飴を加工していく。

手作りのため、小ロットからの生産が可能で、箱商品であれば600箱、袋商品であれば約1万袋から対応が可能。自社で企画から製造、販売まで全て手掛けるため、コラボ商品でも約3カ月で開発できるという。

(2022年12月号掲載)