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伝統製法の飴、アジア市場で展開

川崎大師名物「開運とんとこ飴」が海を渡る─。明治元(1868)年創業の老舗飴専門店、松屋総本店(川崎市川崎区大師町)は、アジア市場に売り込みをかける。主力商品「とんとこ飴」を現地市場で販売するほか、飴の伝統製法と現地の人気フルーツなどをミックスして“ローカライズ”させたコラボ商品の開発も視野に入れる。ホテルや企業のウエルカムキャンディーとしても提案していく。

松屋総本店、ローカライズ商品の開発も

すでにタイ市場で販売を始めたほか、今後は台湾向けにも展開する。現地商社などから引き合いが来ており、現在商談を進めている。

「150年以上続く日本伝統の飴を広く知ってもらいたいです」と、担当の田中千裕さん。自社で企画から製造、販売まで手掛けているため、箱商品であれば600個程度、袋商品であれば1万粒からが短期間で供給可能。コラボ商品も最短3カ月で開発できるという。タイや台湾を皮切りに、アジア市場に広く普及させていきたい考えだ。

なお、「とんとこ飴」は、やわらかくよく伸び(延命長寿)、トントコ切られた(厄を切る)飴として、縁起物としても好まれている。飴を作るときの職人のリズミカルな動きが話題を呼び、テレビなどのメディアにもよく取り上げられる。

(2022年4月号掲載)