住まいの産業 / ライフサイエンス

伝統左官技術と家具のコラボ

日本が世界に誇る左官技術の活躍の場を広げようと、特殊塗装業のColorJapan(カラージャパン、川崎市中原区宮内)が、オリジナル家具ブランド「COLOR’U(コロル)」を立ち上げた。熟練の職人たちが時間をかけて仕上げた高級家具を、本物志向の消費者、事業者に訴求していく。職人たちの作業する様子を見ることができる、家具工場を併設したショールームも年内に新設する計画。事業再構築補助金にも採択された。

川崎発の高級ブランド展開

海外材料を用いたデザイン性の高い塗装や左官工事を手掛け、「他社がやらないような塗装」(近藤健二社長)を得意とする。有名アミューズメントパークや高級ホテルなど、誰もが知る数多くの有名施設も担当する。

西洋漆喰の本場・イタリアで修業を積んだ職人など、専属外注を含め15人を抱え、「特殊塗装技術集団」を形成している。

経営多角化の一環として、高級家具の製造販売事業に着手。低価格帯の家具に対するニーズは根強いが、一品物やオーダー家具といった高品質・高級デザイン家具を求める層も確実に存在するとみて、高級ブランドを追求する。

専属デザイナーがダイニングテーブルや丸テーブルなどをデザインし、左官職人たちがベルギー・BEAL社の鉱物性塗材「MORTEX(モールテックス)」を使って一点一点仕上げる。

下地が石材や木材、プラスチックなどでも対応できるため、古くなった家具の補修・再生も可能。そのため、家具の使い捨てを防ぎ、SDGsにもつなげていく。

■本業との「化学反応」も

オフィスショールームも川崎市内か都内に新設する計画だ。広さ約200 ~ 260平方㍍を想定。事務所や家具工場、資材置き場の機能も持たせる。

ショールーム内の左官材料や製作現場を実際に見てもらうことで、商品の良さを知ってもらい購入に結びつける。また、近く開設するECサイトの見込み客が、商品を確かめる場としても活用する。

技術力や商材を広く公開することで、主力の特殊塗装の受注にもつなげたい考えで、近藤社長は「当社のいろいろな事業との“化学反応”も起こしていきたいです」と話している。

(2022年5月号掲載)