ビーシステム(川崎市麻生区上麻生)は、主力の介護保険業務ソフトを核にIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)と連携したソリューション展開を始める。2025年11月の設立30周年を機に、これまで介護の現場で築いてきた技術と人的な基盤をベースに高度なサービスを提供し、多角的な成長戦略を推進する。事業拡大に向けて人材採用も積極化、2026年中に10人程度を採用し40人態勢とする。
提供ソリューションを高度化
同社はインターネット黎明(れいめい)期でパソコンブームが起きた1995年に設立、ウェブサイト構築事業からスタートした。
97年に老人ホームの管理システム構築を受託したのを機に、笠原正博社長は介護・福祉分野に注力。公的制度の複雑さや現場の制約でIT化が難しいと言われる同分野で、介護業務支援ソフト「ファーストケア」を普及させてきた。
ファーストケアは介護事業者向けの統合ソフトで、ケアプラン管理、利用者情報の記録、介護保険制度やその他サービスの請求にも対応する。顧客や介護・福祉の団体と定期的に情報交換するなど「現場の課題」に対応する姿勢が顧客に評価され、全国4000事業所以上に採用されている。
事業の高度化に向けては、まず次期「ファーストケア」のクラウド化でネットワーク対応を進めるとともに、産学官や外部企業との協業によりソリューションを開発する。
年内に発表する第一弾は、介護施設の個室や利用者の自宅にネット接続したAIカメラやセンサー類を設置。利用者の体調管理や異常の予兆把握、食事や服薬スケジュールの管理と音声でのお知らせを可能にする。
また、介護事業者側でも職員の業務開始・終了の管理を音声で入力するなど効率化できる。メニューによっては利用者側からも料金を徴収するサービスを想定している。
同社は30人の社員のうち20人が技術者で、19年に設立したベトナム子会社でもソフト開発が可能。今後は業務拡大のため、さらに人員採用を加速させる。
大手IT企業幹部から昨年転身した柴崎勝治・専務執行役員は「IT技術者はもちろん、介護の現場で介護の理想を目指してきた方と仕事をしたいです。介護・福祉の情報資産からどんなサービスやソリューションを提供できるのか、可能性は大きいと思います」と話している。



