住まいの産業 / ライフサイエンス

井戸水を使った水洗式の災害トイレ 清潔さを確保

井戸屋(茅ケ崎市芹沢)は、災害用の水洗式トイレの普及に注力している。災害時に井戸を通じて地下水を確保し、水洗式の清潔なトイレシステムを提供する独自開発の「イドテック・トイレ」を展開。すでに国土交通省や横浜市、東京(品川区、多摩市)など、防災意識の高まりとともに全国の公共施設などを中心に採用が相次いでいる。

独自開発、公共施設に採用

トイレは「業界初の水洗式」(綾久社長)であり、特許構造の手押しポンプにて水を流す。持ち運べて簡単に組み立てられ、駐車場などの空きスペースに設置可能だ。

1基で100人分をカバー。国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)にも登録された。

調査開始から設置完了まで2カ月程度。費用は960万円(トイレ5基)から。貯留槽併設は1250万円から。

同社によると、地層深くから柔軟性がある素材のパイプによって水をくみ上げるため「地震にも強い」という。

現在普及している災害用トイレは落下式のため、汚物が便器の下にたまり、不衛生で感染症のリスクがある。実際、新潟中越地震や熊本地震でもトイレが不衛生のため、我慢する女性たちが「エコノミークラス症候群」を発症した。

「これからは、災害時でも清潔な水洗式トイレの普及が求められています」(綾社長)と強調する。実際、井戸水はトイレだけでなく、災害時の生活用水としても使用されている。

先の能登半島地震では広い地域で断水が続いた。綾社長も実際に被災地を訪れ、井戸水の必要性を強く感じたという。「防災の観点から日本中に広めていきたいです」と意気込んでいる。

(2024年7月号掲載)