機械設計・製造のAZAエンジニアリング(相模原市中央区鹿沼台)は、週休3日制を試験導入した。平日の勤務時間帯などを工夫することで、従来賃金を変えずに実現する。中小製造業の週休3日制は極めて珍しいといえる。働きやすい職場環境の整備により、優秀な人材の囲い込みや、シニア社員などが長く続けられるようにしていく。現在は職種など限定的に実施しているが、今後は検証を進め、2024年1月からの本格導入を目指す。
AZAエンジニアリング、テレワーク勤務も拡充
今回の試験導入は、計36人いる社員のうち、まず設計部門のシニア社員に限定。本人の希望に応じ、完全週休3日か、これまで通りの2日かを選択できるようにした。週休3日を選んだ社員は、土日以外に好きな曜日に休日を決められる。隔週で取ることも可能だ。
完全週休3日は「日々の就業時間を若干長くすることで実現可能」(長谷川孝社長)としており、具体的には通常より平均1.5時間程度長くするほか、夏休みや年末年始などの全社一斉休業日は、本人の有給休暇分を充ててもらう。これにより、週休2日の社員と同じ労働時間(給与)、休日数になるという。
長谷川社長は「導入前、全社員に働き方改革のアンケートを実施しましたが、今の給与水準は下げたくないという意見がほとんどでした」と説明。給与を維持したまま週休3日にするには、どんなやり方がよいかを社会保険労務士などと検討していたという。
今後は就業規則の改定や、業務上の不都合が生じないかを見極め、来年には全社員が週休3日を選択できるようにしたい考えだ。「今まで以上に頑張り、生産性も上げなければ週3日休めませんので、残業時間の削減にもつながるはずです」(長谷川社長)と話している。