ビックリユース(横浜市神奈川区羽沢町)は、事務所移転などで不要になった「オフィス家具」を買い取り、中古品に生まれ変わらせてから実店舗やインターネットで販売する。中古品の概念を覆そうと、店舗の内装にもこだわっており、有名ブランド品もズラリと並ぶ。SDGsに対する機運が高まっている中、モノを破棄せずに長く使い続けるリユース(中古)品市場は拡大しており、同社も3店舗目の準備を進める。「直接買い付けをする以上、価格競争力が強みです」と藤森真二社長。デザイン性が高く、ハイクオリティーのオフィス家具を、大手同業者よりも低価格で提供することを信条とする。
成長市場で存在感発揮
■問われる「目利き力」
2015年6月に設立。横浜と川崎市中原区に店舗を構える。店内は中古オフィス家具が所狭しと並べられている。デスクやチェア、中古の事務機器、来客用ソファ...。その数は2000~3000点。中には、欧州有名ブランドのデザイン家具もある。
同社のビジネスモデルは、オフィス移転や統廃合などで、不要になった家具を買い取り、実店舗やヤフーオークション、直販サイトで販売する。
藤森社長によると、ひと昔前はオフィス移転となると、企業は使えそうな家具であってもほとんどを不要品として破棄していた。それが近年、環境意識の高まりを背景に、「捨てずに引き取ってもらう」とする需要が出てきた。中古オフィス家具市場は、今や大手デベロッパーも参入するほどになった。「数百億円の市場はあるでしょうね」(藤森社長)と分析する。
とはいえ、容易に参入できる世界ではない。重要になるのが「目利き力」だと力説する。つまり、引き取り現場で中古品として価値が付くものか、そうでないのかを見極める能力だ。
さらに、同社は、現場ではリユースできなくても、依頼者とリサイクルを担う中間処理業者を仲介している。その際、不要品の中からリサイクル(再資源化)できるものの選別スキルも求められるという。
■低価格で勝負
コロナ禍は数えきれないほどの企業の経営を直撃した。同社も例外ではないが、藤森社長は「悪い影響も、よい影響もありました」と振り返る。