工場の床が傾いていたら良品は生まれないー。アップコン(川崎市高津区坂戸)が開発した国内初、ウレタン樹脂による補修「アップコン工法」が急速に普及している。地盤沈下や地震による液状化などが原因で傾いた建物に対し、ノンフロンの発泡ウレタン樹脂をコンクリートの床下に注入して修正する独自工法だ。これまでの施工件数は1800件超。7月には東京プロマーケット上場も果たした。
アップコン、独自工法で東証プロ市場に上場
同社の松藤展和社長は、著書「不良品が多い工場の原因は地盤が9割」(幻冬舎メディアコンサルティング刊)で、床がたった0.6度傾いているだけでも、機械やそこで働く人たちに悪影響を及ぼすと指摘。同工法の必要性を強調する。
同工法は、工場や建物のコンクリート床に沈下や傾きが生じた場合、床に1円玉大の穴を開け、そこにポリオールとイソシアネートという2種類の液体を注入する。すると、注入した液体の化学反応で「硬質発泡ウレタン樹脂」を形成、発泡圧でへこんだ部分を持ち上げ平らにする。
注入液はミリ単位でレベルを管理し、地盤下の空洞を隅々まで充填する。素材は完全ノンフロンの硬質発泡ウレタン樹脂を使用しているため、成形後も水や土中などに溶出しない。