新型コロナウイルスのワクチン輸送の分野で、県内企業の製品が一役買おうとしている。EFインターナショナル(EFI、横浜市中区相生町)は、マイナス70度Cの超低温輸送ができるISO20フィートコンテナ「スーパーフリーザー・-70℃」の本格展開に乗り出す。ワクチンの海上輸送から陸送、保管までを1台でカバーできるもので、1コンテナで30万回分のワクチンが運べる。全国でワクチン接種が開始することをにらみ、普及を急ぐ。
超低温冷凍コンテナを展開
EFIは、海上コンテナを中心に、コンテナ売買からリース、サポートまでを手掛ける企業。その一環としてワクチン対応コンテナを始めた。
同社によると、海外からの新型コロナワクチン輸送は現在、空輸を中心としており、低温状態を保つためにはドライアイスが使われる。しかし、空輸だと一度に運べる量が限られてしまい、今後はドライアイス不足も懸念される。それに対し、海上輸送は大量に運べるほか、同コンテナを使うことでドライアイスが不要になる。
同コンテナは米サーモキングが開発し、日本ではEFIが初めて販売契約を結んだ。マイナス60度Cの環境が求められる冷凍マグロのコンテナ輸送技術を応用。米ファイザー製ワクチンの輸送に必要なマイナス70度Cを実現した。20フィートコンテナのため、海外生産工場から日本の保管場所までの輸送が一貫して担える。また「ワクチン貯蔵庫としても使えます」(阿部竜士執行役員)と言う。10フィートサイズもそろえた。