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ワイヤーハーネス、品質徹底で差別化

市場拡大が進むワイヤーハーネス市場は海外生産品との価格競争が続く。こうした中、三英電装(川崎市宮前区野川本町)が、ワイヤーハーネス1本から品質を担保するなど、海外品との差別化を図っている。

製造業の基本守り続ける

万が一、不良品が出た場合でも、素早く履歴を追える体制も確立。「品質は会社の顔です」と黒沼晃三社長。こうした姿勢が評価され、国内の大手装置メーカーなどから同社指定での引き合いが絶えないという。

ワイヤーハーネスの生産は、電線をカットして、皮をむいてハンダ付けをし、端子を締める。ものによっては炭チューブで固める。職人による手作業も多い。

「たかがハーネス、されどハーネスです。設備や治具、加工工程もノウハウのかたまりです」

製造業の基本は品質と納期。「機械にできることは任せ、人にしかできない作業に集中しています。これが品質徹底と納期短縮につながります」。今では、部品の小型軽量化が進み、海外品にはない複雑なワイヤーハーネスを受注する機会も増えている。

1976年の創業以来、ものづくりの基本に厳しくやってきたことが信頼につながり、取引先は大手メーカーをはじめ50社近くに。スマートメーター用は月産130万本以上。今後は生産規模拡大を検討しているという。

(2023年8月号掲載)