新型コロナウイルス感染症対策として、受付や窓口でパーテーションを設置する動きが続く中、ドリーム(横浜市港北区新羽町)が開発した対話サポートスピーカー「kikowell(キコウェル)」が注目されている。マスク越しでの会話や、パーテーションを挟んだ会話の“聞こえにくさ”を軽減する製品だ。通常のスピーカーとは違い、音が拡散せず直線的に届くのが特徴。会話のプライバシーが確保される点も評価されている。
ドリーム、平面波スピーカーが脚光
同製品は「平面波スピーカー」の技術を採用した。一般的なコーン型スピーカーは、音を広範囲に届けようと、四方に放射線状に広がるのに対し、平面波スピーカーでは直線的に音が聞こえる。そのため、周囲に会話が漏れる心配がない。現在、国内で平面波スピーカーの技術を扱う企業は「当社を含めごくわずかしかありません」(ロレタン・ジュリアン国際事業部長)としている。
もともとは難聴者用のサポート機器として開発したものだが、コロナ禍を背景にこうした特徴がニーズにマッチ。現在、月30件ほどの問い合わせや引き合いが続いているという。令和元年度の横浜市販路開拓支援事業(トライアル発注型)にも認定された。
今後は空港やホテルのフロント、銀行、チケット売り場など、あらゆる場所への販売が見込めるとしている。