機器・装置・製品/ロボット

プリント基板技術でテールランプ修理

プリント基板製実装、コートク(寒川町)は、自動車のテールランプ修理事業を本格化させている。故障の原因を特定し、LEDテールランプの球切れなどを手作業で交換する。産業用機器用のプリント基板の実装技術を活かした事業で、熟練職人の技術をテールランプ修理に生かす。

熟練職人の腕生かし異分野展開

同社によると、自動車は車種を問わず、テールランプ故障の大半が1個や数個のLEDライトの「球切れ」のほか、周辺電子部品の故障で点灯しないことが原因だという。ただ、ディーラーや整備工場に頼んでも、ユニットごとの交換になってしまうため、費用がかさむ。

「LEDが1個切れても車検は通りません。輸入車などでは修理費用が数十万円になることがあります」と伊藤健太郎社長。今後もLEDが搭載されたテールランプは時間とともに「球切れ」が進むと予想。今回の修理・LED交換の事業を始めることになった。

ユニットを同社に郵送してもらうか、自動車ごと持ち込んでもらう。その後、専門ツールで故障原因を特定し作業する。交換するLEDは、仕様が同等なものを使用する。

■ものづくり連合の構想

テールランプのLED交換は高度なノウハウが必要という。メーカーや車種によってLEDのタイプが異なり、ユニットを分解する作業も難しい。

ただ、同社はケーブルテレビの中継器に組み込む基板など、創業以来、産業用向けの電装品を扱ってきており、ハンダ付けに熟練した人材も在籍する。そのため、テールランプ修理が可能になるという。

「産業用機器の基板実装のノウハウです」(伊藤社長)。国産・外国車を問わず全国対応。原則3日以内に修理を完了させる。修理費用は国産車で1万4000円から。年間600件程度の修理件数を見込む。

(2023年8月号掲載)