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プラ容器ごみ再生をワンストップで

台湾は廃棄物リサイクルでは先進的な存在とされ、世界トップクラスの資源再生率を誇る。消費者やリサイクル事業者、自治体のほか、事業者が拠出する基金も加わり、再生システムを運営。ごみの資源化にインセンティブを付与し、生活者の意識を押し上げている。プラスチック再生メーカー、豊溢緑能材料(Global Green Material=GGM、彰化県)は、廃棄されたプラスチック容器の再生処理を手掛けている。

溶解処理で海洋ごみも再生

リサイクル業界に携わってきた経営陣が集まり、2021年に創業した。回収と再生の工場を運営。飲料のボトルや食品容器などのごみを回収し、破砕して洗浄した上でペレットに成形している。

生産能力は月当たり4000トン。再生用途はマウス、ハンガー、ボトルなどさまざまだ。

張福麟マーケティング・セールスマネジャーは「収集から再生までワンストップで対応しているので、顧客のコスト削減にもつながります」。台湾の大手スーパー、大潤発や、スポーツ用品大手の仏デカトロン、独アディダス、日本の「無印良品」の良品計画などがパートナーとなっている。

国際問題となっている海洋プラスチックごみの再生も手掛ける。塩分や生物由来の不純物を含む海洋ごみは従来、焼却処理が主流だったが、溶解処理をすることで再生プロセスを実現させた。

施承享・総経理は「世界市場に挑戦するため、国際基準に適応できる工程の再生設備とシステムをつくりました」。環境分野の技術で日本企業とも提携の道を探りたい考えだ。

(2024年7月号掲載)