金属加工・樹脂加工・その他加工

フォトリソ工程、格安でデモ評価可能

半導体製造装置メーカー、カナメックス(厚木市愛甲)は、半導体の研究開発(R&D)分野におけるフォトリソグラフィ工程などの前処理工程で必要になる実機を一堂にそろえ、開発中のプロセス試験や検証ができるデモルームを整備している。

カナメックス、半導体の研究開発向けに提案

実験機を持たない企業や、実機購入前にプロセスを確認したい企業などが“格安料金”でデモ評価できるという。

同社は半導体やエレクトロニクス基板、微小電子機械システム(MEMS)関連の装置を製造販売。洗浄や塗布、現像、エッチング、はく離装置などを手掛ける。

中でも次世代ウェットプロセス装置「Kシリーズ」は、洗浄から塗布までの各プロセスで、標準機に対し、必要な仕様を次々と追加できるセミカスタマイズ装置で、主力製品となっている。

デモルームでは、クリーンルームと純水供給ユニットのほか、排気スクラバー、 ウェットプロセスのデモ評価・実験用のスピンプロセッサーなどを完備。前工程の各プロセスをテストできる。利用料は1回20万円程度。

また、ここで分かった課題に対し、解決につながる装置を同社が設計、製造していく。

■稼働率9割以上

なお、同社は年間30台程度の半導体製造装置の生産能力を持っている。ここ数年は「(半導体の需要増を背景に)常に9割以上の稼働を維持しています。すでにこの規模では限界です」(石室祝社長)と話している。電気自動車(EV)などに使われるパワー半導体などが市場をけん引しているという。

(2021年11月号掲載)