不動産業、シンクリエイティブ(川崎市高津区諏訪)は、フィリピン人材の採用支援を始めた。プラスチック部品設計を手掛ける現地関連会社でのノウハウを生かす。このほど「特定技能登録支援機関」として認定され、人手不足の県内企業とフィリピン人材をマッチングさせる。不動産業の強みも生かし、来日後の住居探しから生活支援までを一貫してフォローしていく。
不動産業の強み活用
東急田園都市線・二子新地駅近くで「不動産案内センター」を運営する一方、自動車部品用のプラスチック部品を設計する関連会社「シンクリP・A」も展開。不動産業と製造業の両輪で経営する異色の企業だ。
シンクリP・Aは大手自動車部品メーカーの設計業務を請け負っており、その一環として約20年前に東南アジアに進出。フィリピンで現地法人を設立しエンジニアを採用するなど、現地人材の活用ノウハウを蓄積している。
こうした経験から、「フィリピン“人財”は定着率が高く日本人との相性が良いです」(鈴木昭徳社長)と実感しているという。
今回、特定技能登録支援機関としての認定を受け、フィリピン人材の採用支援を開始、企業と外国人をつなぐ「サポート機関」としての役割を担っていく。
今後、建設や介護、製造分野に特定技能人材の需要が高まると予想。特に介護では「訪問介護にも特定技能人材の受け入れが可能になる見込みで、さらなる成長が期待できます」と展望を語る。
また、地域に根ざした不動産業も長く手掛けていることでの相乗効果も狙う。具体的には、通常はオーナーに敬遠されがちな外国人の住居探しが可能なほか、定住後はお祭りなどの地域活動にも参加してもらうことで定着につなげていく。今後は年間100人の採用サポートを目指す考えだ。