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データ消去、世界初の履歴確認システム採用

スタートアップ企業、DELE(ディーリー、横須賀市光の丘)は、データ消去トレーサビリティー(履歴管理)システムを利用した情報機器回収サービスを始めた。同システムは世界初という。パソコンやサーバーなどの“情報資産”の廃棄を委託する際、途中で情報漏えいがなく適正処理されているかを確認できるもの。回収後から消去までの工程の進ちょくが随時見られる。すでに横須賀市が実証実験で採用、今後は行政機関を中心に提案していく。

DELE、情報機器廃棄時のリスク防止で

システムの名称は「ETMS(エトムス)」。同社も加盟する業界団体「データ適正消去実行証明協議会(ADEC)」が開発した純国産のシステムという。

具体的には、情報機器の廃棄やデータ消去を同社に依頼した際、それぞれのシリアルナンバーとQRコードが発行される。依頼者は専用アプリ上にナンバーを入力すると、現在どの工程にあるのかが分かる。

情報機器の破棄やデータ消去は、回収後に施設への入庫、消去(磁気消去もしくは物理破壊)を経て、最終的にリサイクル業者などに引き渡される。これらの工程を“見える化”するシステムという。終了後には「データ消去証明書」を発行することで、安心感につなげてもらう。

生田篤識社長は「情報資産のデータ消去を巡っては、外部業者に委託したのにもかかわらず、その機器に個人情報が残ったままリユースされてしまう事例が多く見受けられました。情報機器の破棄は、企業にとって大きなリスクになります」と説明。現在、自治体だけでなく、企業での採用を呼びかけている。

価格はパソコン1台当たり1100円(アプリ利用料は別途)。証明書発行料は同1100円。初年度2億円の売り上げを目指す。

(2022年5月号掲載)