医療機器製造、マーク電子(相模原市緑区橋本台)が、点滴中の状況をリアルタイムで遠隔モニタリングできるスマート型点滴管理ツール「DR-MARK(ドクターマーク)」の用途を拡大している。
訪問看護や在宅医療にも
同製品は2021年7月に発売し、当初は小規模病院向けに近距離無線通信「Bluetooth(ブルートゥース)」を通じて利用できるシステムとして展開。今回、利用者が管理しているサーバーやネットワーク機器、ソフトウェアなどでも利用できる「オンプレシステム版」を追加した。
中・大規模病院にプラスして訪問看護や在宅医療といった現場でもDR-MARKが使えるように、クラウドシステム版も発売する。すでに北海道や茨城県内で試験導入を始めた。
大石雄大専務は「ドクターマークは患者に対し『つながる』『よりそう』『見守る』という強みを持っています。山間部や過疎地など医療の手が届きにくい地域での訪問看護でも役立ててもらいたいです」と話している。
ドクターマークは、もともと自動車の衝突防止システムなどに採用されている「マイクロ波ドップラーレーダー」を使用し、滴下を検知。看護師に流量や滴下異常、点滴終了を知らせることで、医療現場の負担軽減に役立てるシステム。
各種センサーと院内ネットワークシステムを利用し、医療機関によるIoT化の一端も担っている。大石専務は同システムについて「今後は海外展開にもチャレンジしていきたいです」と語っている。