ネットワーク障害の防止からサイバー攻撃への防御まで、セキュリティー強化は各国の企業で共通の課題となっている。台湾のネットワークセキュリティーサービス、新夥伴科(N-Partner、台中市)は各種ネットワークの運用データを統合した集中管理・分析サービスを提供し、実績を広げている。
台湾でDDoS攻撃摘発に貢献
セキュリティー対策の基本として、ネットワーク機器のプロトコル(SNMP)、システムログ(Syslog)メッセージ、トラフィック(Flow)でそれぞれ個別に管理されているプロトコルデータを、統合して分析する仕組みを開発した。これにより、一般的ツールよりコスト削減と効率向上を実現した。
不正に操作された多数のコンピューターから発生した大規模一斉攻撃(DDoS攻撃)を防いだ実績もある。ソリューションを提供していた台湾の証券会社で、ファイアウォールのログ量が急増する事象が起きた。異常なトラフィックを検知し、ログを保存しておいたことが、捜査当局による容疑者の摘発につながった。
米国系ネットワークセキュリティー企業を経て、石謂龍総経理が2010年に創業した。台湾の官公庁や民間企業、日系現地法人などにサービスを提供している。
石総経理は「国際政治情勢なども背景にあり、セキュリティー対策の必要性やユーザーの意識は高まっています」と、語る。日本市場への参入をにらみ、日本のシステムインテグレーター(SIer)や監視組織(SOC)などのパートナー開拓も目指す。