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エンジンで飛ぶドローン 飛行時間が大幅改善

ドローンもエンジンの時代に-。コバヤシ精密工業(相模原市南区大野台)は、ドローン用エンジンの開発に成功した。バッテリーとモーターで動く従来のドローンは、飛行時間の短さが課題。エンジンに置き換えることで、飛行時間が飛躍的に高まり、ドローンが活躍できる幅が一気に広がるという。すでに実証実験を進めており、今年度中に実用化させる。「ドローン用エンジンは新しい市場になります」と小林昌純社長は期待を込めている。

UAVエンジンを改良

同社は半導体分野で技術を磨き、宇宙航空研究開発機構(JAXA)「はやぶさプロジェクト」に中小企業としては唯一参加した。2014年に航空宇宙規格「JISQ9100」を取得し、航空機産業に本格参入した。現在は航空機部品を製造する一方、無人航空機(UAV)のエンジンなども開発している。

空撮や測量、建設分野などさまざまな場所で活躍するドローンだが、小林社長は「現在のドローンの飛行時間は長くて40分。荷物を積めばせいぜい8分が限界です。これでは用途が限られてしまいます」と説明する。そこで都立産業技術センターの協力を得て、数年前からドローン用エンジンの開発を進めていた。

■将来は2~3時間の飛行も

今回開発したドローン用エンジンは、UAV用エンジンをベースに改良を重ねた。

UAVの場合、飛行中はエンジンが常に風に当たっているため、オーバーヒートする心配がない。しかし、ドローンはプロペラで回すため、機体内部に搭載されるエンジンには風に当たらず、オーバーヒートする危険性がある。

そのため、同社ではエンジンの構造を独自設計。外に専用の冷却システムも搭載した。「最低でも1時間は飛行できます。将来は2~3時間連続飛行を目指しています」(小林社長)と言う。

今後は製品化を進め、自社ブランドのエンジンとして販売する。価格は1基当たり200万円台を想定。日本と北米市場をターゲットに販路を開拓していく。

■航空機部品メーカーに脱皮

「新しい市場に」と小林昌純社長

もともと半導体製造装置などの部品加工を手掛けていたが、2015年に航空宇宙産業の国際規格「JISQ9100」の認証を取得。航空機部品分野に新規参入を果たした。

シートなどの内装品や機体部品など、計50~60種類を製造。参入から2年弱で、会社の売上高に航空機部品の占める割合が、全体の半分に成長した。「毎月、前月比1.5倍に伸びています」(同)。

リーマン・ショック後、売り上げが半減し、取り戻すために奔走した。結論は「(受注量に)波がある仕事はしない」ということだった。

「勉強を始めてから航空機部品に参入するまで10年かかりました」と語る小林社長。金属加工業から航空機部品メーカーへと会社を変革させた。

(2018年6月号掲載)