機器・装置・製品/ロボット

エレベーター部品加工技術で「鉄板」

得意の金属加工技術を人気のソロキャンプに―。精密板金の上代工業(川崎市高津区下野毛)は、ソロキャンプ用の「極旨プレート」を開発した。市販されている鉄板と比べ、9ミリの“極厚”のため、焼きムラができず、おいしく調理できるという。同社はテストマーケティングとしてクラウドファンディングを活用、目標金額の538%の応援購入総額を達成した。

上代工業、コロナ禍のソロキャンプ人気で開発

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、ソロキャンプは3密を避けるアウトドアとして人気を集めており、昨年の流行語大賞にも選ばれた。「技術はあるけれど、どんなものが売れるか分かりませんでした」(上代健一社長)と、自社商品開発を模索していた同社が着目したのが、このソロキャンプだった。

同社の本業は、エレベーターの接続部品の生産。鉄板のような厚物の加工はお手のものだった。

薄い鉄板は火をかけた時に食材に熱を奪われてしまうものの、厚い鉄板だと蓄熱性が高く、食材に均一に伝わり、焼きムラがなく仕上げられるという。

先に実施したクラウドファンディングでは、消費者のニーズを探るため、「正方形」「丸形」「長方形」の3タイプを用意した。購入者には、極厚鉄板のつかみ布と、板材の証明書番号に加えて、長持ちするよう手入れ方法を記載した説明書も付けた。現在は直販しており、価格は長方形タイプで1万1000円(税別)となっている。

(2021年2月号掲載)